油田新聞_2016.04.19
- Yumi Someya
- 2016年4月19日
- 読了時間: 3分
頑張れ
回収業務で町を回っていると「最近、景気悪いね」という言葉よく耳にする。
景気が悪いのは、特に最近でもないはずなのに、なぜ不況を強調しているだろうか。
それは、きっと変わらない経済に対しての嘆きではないかと考えてみる。
マスコミでは、株価が上がっているとまるで景気回復への希望が見えたようにも伝えているが、
株を持っていない人には直接的に潤いはないはずだ。影響があると したら株で儲けた企業や
投資家が、世の中にお金を落としてくれれば、トリクルダウンの論理のように間接的な影響は
あるかもしれない。でも、多くの企業や投 資家は、儲けた分をさらに投資に回しているようだ。
特に企業は、過去の不況という辛酸を舐めた経験があり、チャレンジ精神より守りの姿勢を
固めている。話 題となっている非正規雇用が増えたのも企業が守りの姿勢に固執したからだ。
非正規雇用を言い換えれば、雇用の不平等だ。待遇、雇用の保証はもちろん収入が正規雇用に
比べ大きな差がある。この不平等に一番影響を受ける立場は、若者だ。
大人世代が思う最近の若者は、マイナスイメージが多いと感じる。
何を考えているかわからない、やる気がない、怠け者といったネガティヴな言葉ばかりだが、
実際どうだろう。
正社員として会社に就職したいが、針に糸を通すより難しく、選択肢は限られる。
選択肢に残るのは非正規だが、これも競争が激しい。
この激しい競争に嫌気がさした人は、自暴自棄になり、いわゆるニートになった人もいる。
皮肉なことに大人世代は、ニートという非常に断面的な部分しかみようとしなく、若い世代との
コミュニケーションが噛み合わないのだ。
若い世代にアンケート調査したところ意外な結果が出た。
「今の現状に満足するか」という設問に多くの人が満足すると答えた。
「奴らは、とうとう狂ったのか」という風に見えるが、実際は違う。
今の現状に満足しているのは、希望がないからである。
就職、結婚はもちろん住宅や車の購入を放棄したため、悩む必要もないのだ。どうせ手に入らない
ことだから、持たなくても満足できる生き方を選んだのだ。
一 方、少しでも希望を見つけるために、自己啓発に乗り出す若者もいる。大学の専攻と全く違う
資格に挑戦したり、英会話教室にも通う。また、自ら慰めるため、 ヒーリング書籍を読みまくる
人もいる。確かに、本屋に行くと数々の心のヒーリングに関する本や成功の方法論を語った本が
多い。だけど、このような本を読ん でも若い世代の心は癒されないし、成功もできない。
なぜなら、他人の体験論であり、自ら蓄積した体験ではないからだ。人は、自らの体験で学び、
体験を通し て成長するが、今の世の中では体験するチャンスが少ない。
このように若い世代を追い詰めたのは、大人の世代だ。
良い大学を卒業し、良い企業に勤めるようにも教育をしていた。まるで、ステータスのように
勝手に順位まで付けてくれた。そのように大人世代に教育され、社会に出てみたら、今回は、
大人世代がお互いの保身のため作った仕組みにまんまと引っかかってしまったのだ。
近年、ブラック企業の存在や人の使い捨ての問題が話題となったことがある。
企業への入り口は限りなく狭く、逆に出口は広すぎる。
「チャンスを掴みとりたいなら頑張りなさい」と大人世代の常套句だが、
もはや「頑張れ」という言葉は、無味乾燥な言葉に転落してしまった。
いつか、若い世代にチャンスが与えられ、不平等な扱いが改善されるならば、かつての「頑張れ」という意味深い言葉の名誉を取り戻すことができると信じている。
( A. F. )
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